「同じバイク乗りであり、既にガレージハウスを建てた友人の言葉は、ガレージハウスを建てようという自分には響くものがありましたね。」
所在地/大阪府東大阪市
敷地面積/168.1m2(約50.9坪)
延床面積/182.6m2(約55.2坪)
ガレージ面積/40.5m2(約12.3坪)
愛車(取材時)/アウディA5、ビューエル Lightning XB12Scg
ビルトイン台数/2台
緑が溢れ、ゆったりとした街の一画に建ったNさんのガレージハウス。
3年がかりで土地を探しても理想の家の目途が立たず、諦めかけていた時、
今回のTさんも、土地探しをきっかけにプロデュース会社を知り、
住宅プロデュース会社『ザウス』との出会いが、夢を現実へと導いていった。
雑誌 ガレージのある家 vol.38 掲載
text / Shunsuke OOBUCHI(大渕俊輔) photo / Kazushi HIRANO(平野和司)
インターネットに膨大な口コミがあふれる今日だからこそ、本当に信じられる情報に出会うのは思いのほか難しい。信頼できる相手の話が何百もの「いいね!」に勝るのはままあることだし、それが重要な選択に伴うものであればなおのことだ。今回ご紹介するS邸もまた、そんな仲間からのひと言がきっかけとなり誕生した物件と言える。
デザイン関係の仕事をしているSさんは、かつては中古マンションに自らデザインしたリノベーションプランを施して暮らしていた。
「自分が好きなように手を入れ、とても気に入っていたのですが、妻と出会い、子どもができ、ライフスタイルも変化してきたことから、戸建て、特にガレージハウスを考えるようになりました。物件を見てまわり、何人かの建築家にも相談しましたが、なかなかピンとくるパートナーとは出会えませんでした」、そう当時を振り返る。
そんな時にヒントとなったのが、バイク仲間から聞いた「住宅プロデュース会社・ザウス」という言葉だったという。「仕事の合間にできることは限られていますし、お金や法律など、自分だけではクリアするのに時間がかかる問題もあります。ともに取り組んでくれる人がいれば、自分のこだわりに集中することもできます。何より同じバイク乗りであり、既にガレージハウスを建てた友人の言葉は、ガレージハウスを建てようという自分には響くものがありましたね」とSさん。
「ガレージ」「ゆったりしたリビング」「南向きの開口」「~風の素材を使わない」といった”ゆずれないポイント”を、資料を交えながら伝えたところ、それぞれに明確な回答やプランが返ってきたことからも、「ザウスなら信頼できる」と確信したそうだ。
比較的短い期間で土地は見つかり、設計が田中一郎さんに託されることも決まった。田中さんはこれまでも本誌で物件をご紹介してきたとおり、ガレージハウスのプロフェッショナルといえる建築家だ。
「私もこだわりが強いほうなので、当初は意見が一致しないこともありました。ですが、田中さんから提案される素材やアイテムは、試しに組み込んでみると、その真意を理解できるものが多かったんです。次第に『悩んだときは任せよう!』という考えに変わっていきましたね」。ともにデザインへの熱い想いがあるからこその関係は、多くの対話によって構築されていったのだろう。
一方で、「ともすれば”作品づくり”に没頭してしまうおふたりを、できるだけ客観的に見るようにしていました。図面の完成前に工務店さんにアドバイスをしてもらったり、”ふたりのデザイナー”から出てくる微妙なニュアンスを業者さんに橋渡ししたりと、いい意味での聞き役になれるよう努めていたつもりです」とは、プロデューサーの原田さんの言葉だ。
個性のぶつかり合いは、時に隔たりを生んだりもするが、「いい家を作りたい」という思いに違いはない。二者で解決できない問題も、三者なら最良の道を見つけられるということを、大いに感じさせてくれる一例だろう。そんなS邸に込められたこだわりの数々は、写真に添えたキャプションにてご確認いただきたい。
■ ここがお気に入り
木やアイアン、ステンレスなど、素材を活かしたことで得られた本物の風合いが気に入っています。年を重ねるたびに生まれる経年変化も楽しみですね。
■ これからの夢
メインスピーカーのグレードUPと、ダイニングチェアと同じ張地のソファに買い換えることです。
■ 読者へのアドバイス
何よりもイメージの共有を図ることが大切だと思います。参考になりそうな例があれば、雑誌やカタログなどの切り抜きを見せながら想いを伝えるのも、有効な手段ではないでしょうか。
田中いちろうさん
当時お住まいのマンションにもお伺いしましたが、自らリノベーションを手掛けた内装から揃えられた家具、調度品など、すべてにおいてセンスが行き届いた空間でした。Sさんは確立されたライフスタイルをお持ちでしたので、できるだけイメージに寄り添うようプランを提案するよう心がけました。具体的には、節のある無垢のナラの縁甲板を天井と軒裏、床に使用したほか、コンクリート打ち放し仕上げも杉本実型枠を採用し、購入予定だった家具と調和する空間を目指しました。ガレージハウスづくりにおいては、住む人と愛車の関係や距離感が大事だと思っています。「ただ屋根があるだけでいいのか?」「24時間愛車と触れ合っていたいのか?」など、暮らし方のイメージを明確にすることが大切ではないでしょうか。
所在地 | 大阪府東大阪市 |
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竣工 | 2015年12月 |
敷地面積 | 168.1m2(約50.9坪) |
延床面積 | 182.6m2(約55.2坪) |
ガレージ面積 | 40.5m2(約12.3坪) |
愛車(取材時) | アウディA5、ビューエル Lightning XB12Scg |
設計 | 田中一郎 |
施工 | 建築工房アクトホームズ |
プロデュース | ザウス株式会社 |
ガレージのある家 vol.38 掲載
発行年月日:2017年4月21日
出版社名:株式会社ネコ・パブリッシング