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【建築主の声】ネットでガレージハウスを検索。プロデュース会社に出会い完成!宝塚のガレージハウス

ガレージのある家15 宝塚のガレージハウス

「ザウスさんが相見積もりをとってくれて、言い辛いことも変わりに代弁してくれたのでストレスなく打合せが進み、建てられたことも良かったです。一生に一度のプロジェクト、こういったサービスを上手に活用し、後悔しないガレージハウスを建てたいですね。」

所在地/兵庫県
敷地面積/131.11m2(約39.7坪)
延床面積/93.28m2(約28.2坪)
愛車(取材時)/1997年式アルファロメオ 156、1995年式スズキ・SW-1
ビルトイン台数/1台

 

だれと、どのように”ガレージのある家”を建てようかと思案し、
いろいろな方法を探っている人は少なくないだろう。
今回のTさんも、土地探しをきっかけにプロデュース会社を知り、
クルマが好きな建築家・田中いちろうさんと出会って、家を完成させた。

雑誌 ガレージのある家 vol.15 掲載
text / Jun ISHIHARA(石原 淳) photo / Kazushi HIRANO(平野和司)


今回ご紹介する兵庫県にお住まいのTさんは、大阪のアパレル会社に勤めるアルファ・ロメオを愛する会社員。今まで賃貸マンションに夫婦で暮らしていたが、家賃を払い続けることを考えると家を建てたほうが賢明と考え、会社から通勤できる範囲でガレージハウスを建てることを目標に土地を探していた。ところが予算に見合う土地がなかなか見つからない。そうしてようやく見つかったのが宝塚の土地。はたしてガレージハウスを建てるのに適した土地なのか、予算的には大丈夫なのかが判断つかない。

そこでインターネットで”ガレージハウス” と検索し、ザウス㈱の存在を知った。早速、大阪店に赴き担当者に土地を見てもらうことに。予算はもちろん、様々な法的な条件なども合わせて確認してもらい土地購入を決定。「やはり個人で判断するには難しいものがありますね。その点ザウスさんに頼むとガレージハウスを建てることを前提に、様々な角度から検討しアドバイスもいただけたので判断することができました」。ガレージハウスづくりの中で重要なポイントである土地。購入からお考えの読者の方、購入に踏み切る前に可能であればプロに相談することをぜひオススメしたい。

 

ガレージのある家15 宝塚のガレージハウス
▲ 隣接する住宅から目隠しすることもうまくデザインされたT邸。レムコ製オーバヘッドドアーがT邸の存在を意識させる。ガレージ内の壁面はTさんが考案して色に変化を与えた。
ガレージのある家15 宝塚のガレージハウス
 

その後、Tさんはザウス住宅プロデュースシステムにより、購入した土地に対しての建物の提案を受けることになる。ザウスの3人の登録建築家によるコンペで3つの提案が受けられることに最大の魅力を感じていたTさん。なぜなら、1つのパターンで一生住む家を決めるには決心がつかなかったからである。

ガレージのある家15 宝塚のガレージハウス
▲ スキップフロアをプランニングし、空間をうまく使い広さを演出。
 
ガレージのある家15 宝塚のガレージハウス
▲ 外装はガルバリウム鋼板、立てハゼ貼りをしたT邸。玄関ドアも大きく開口させるためにオーダーし、ガレージドアを開けなくてもSW-1 の出し入れを可能にした。
 

コンペを実施するにあたってTさんが出した希望は、限られた予算内でガレージハウスを建てること。さらにガレージにクルマ・バイク・自転車が入れられることと、工房のようなワークスペースを確保すること。3者3様の提案が出てきたが、ガレージハウスの設計実績が多い田中いちろうさんの提案が面白かったことが決め手となった。そのプランは、クルマの出し入れが安全にできたことと、玄関を特別オーダーすることでバイクの出し入れを玄関からも可能にしたことなど、ガレージの使い勝手が非常に良かったそうだ。そしてガレージ奥に工房とまでいわずとも、デスクを置くことでゆっくり作業ができるスペースが確保されたことなども、夫婦の趣味を理解したプランだった。また、大胆にも2階へ上がる階段がガレージ中央に配置されてこともTさんが気に入るポイントとなった。

ガレージのある家15 宝塚のガレージハウス
▲ 夜になると、光があたるT 邸の幻想的なガレージハウスが浮かびあがる。ライトの使い方も建築家ならではの思考が入れられた。
 

2階へ上がると、特注で製作したLの字型キッチンが目をひきつける。これは、ステンレスのシンクと天板だけを特別オーダーし、袖壁はレンガを積むことでなるべくコストを抑える工夫をしている。そしてキッチン下のスペースを使い、OSBボードを応用した食器の収納棚がTさんの手により造作されている。田中さんともそれは事前に打合せ済みで、Tさんが自ら手を動かすことで、建てる過程に参加し楽しんでもらうことも考えられていた。

ガレージのある家15 宝塚のガレージハウス
 

施工を担当した工務店の鳥井さん、建築家・田中さん、プロデューサー・原田さんを交えてT夫婦を取材していると、実に仲が良く、楽しくガレージハウスを建てたことが伝わってくる。工事の後半は、田中さんがいなくても、Tさんと工務店の間で打合せし、工事が進んでいくことも少なくなかったそうだ。Tさんいわく「プロデュース会社にお願いしたことで、コストをかけるところ、逆に削るところが分かりました」と胸を張る。「ザウスさんが相見積もりをとってくれて、言い辛いことも変わりに代弁してくれたのでストレスなく打合せが進み、建てられたことも良かったです」とプロデュース会社の役割を理解し、存分に利用したTさん。一生に一度のプロジェクト、こういったサービスを上手に活用し、後悔しないガレージハウスを建てたいですね。

ガレージのある家15 宝塚のガレージハウス
▲ リビングからスキップフロアで上がるとベッドルームがある。建具屋で製造をしたスライドドアを閉めることでプライベートを確保している。
 
ガレージのある家15 宝塚のガレージハウス
▲ リビングとガレージの合間に設計された畳の和室。この部屋からもガレージの愛車を眺めることを可能にしているが、普段はカーテンで仕切られた空間となる。

 

 

田中いちろうさん

シンプルな四角い建物の中はスキップフロアで1階からガレージ、和室、リビング、寝室と部屋が緩やかに繋がっている。1階ガレージ部分は愛車のALFA、BIKE、自転車、玄関ホール、趣味コーナーが壁で仕切られることなくワンルームとなっていてフレキシブルに使用出来る空間となっている 生活のメインとなるリビングは天井高3500mmあり半階上がった寝室との間仕切引込戸を全開にすれば垂直方向の視線の伸びと寝室の上部に設けたスリット開口部から光が差し込んできます。床はカリン縁甲板貼、天井はラワンベニヤ貼、一部木造の柱、梁をあらわしとし、木の素材感を生かした内包感のある空間です。外観はご主人の大好きな北欧の建築家アルヴァ・アアルトを意識したガルバリウム鋼板縦はぜ葺き、弾性塗料コテ仕上げとし、キッチンはご夫婦と相談しながらステンレス製のオリジナルフレームキッチンです下部の収納などは住みながら、ご夫婦で作りあげてもらってます。生活の細部にまでこだわりのあるご夫婦だからこそ実現できたお家です。

 

今回は土地探しから悩んでおられたので、予算に合わせた土地探しからお手伝いをさせていただきました。勤務地を考慮して、希望の土地を手に入れることができたのがよかったです。それからは、建築家・田中さんのプランをベースにコストコントロールをすることだけを心がけました。施主のTさんと、建築家・田中さんの信頼関係ができていたようなので、Tさんに実際の施行事例を見ていただいたり、なるべく家が建つまでにスムーズに流れるように心掛けました。今回は施主のTさんのコンセプトやカラーなどしっかり固まっていたので非常に仕事がやりやすかったと記憶しています。もし、そのようなコンセプトがない場合でも、こんな感じという写真があれば、イメージ作りのお手伝いができるかと思 います。また、こんな楽しい仕事にかかわりたいですね。

 

 

所在地兵庫県宝塚市
竣工2008年12月
敷地面積131.11m2(約39.7坪)
延床面積93.28m2(約28.2坪)
ガレージ面積29.16m2(約8.8坪)
愛車1997年式アルファロメオ 156、1995年式スズキ・SW-1
設計田中一郎
施工株式会社ウッドワン関西
プロデュースザウス株式会社

 

ガレージのある家 vol.15 掲載
ガレージのある家15 表紙
発行年月日:2009年4月24日
出版社名:株式会社ネコ・パブリッシング

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